耕すこと。食べること。
すべては、まるい「環」のなかにある。
宮城県の南部・村田町。まちの7割を緩やかな丘陵部が占め、豊かな自然林と田畑が譲り合うようにして広がる山間の地。このまちに、『BondeyFarm』が生まれたのは、1999年のことでした。 宮城蔵王の火山としての歴史が培った粘土質の土、森に降る雨が地下水となり地表へと還元された清浄な湧き水、澄んだ空気。この昔ながらの里山が、『BondeyFarm』の考える「農」のかたちとぴったりとリンクしたのです。
『BondeyFarm』の農業は、自然環境循環型農法。自然界に存在するあらゆるもの──天候と環境、雑草や昆虫、微生物など──との共生を目指す農法です。農薬や化学肥料は自然の中には存在しないので、使いません。完熟発酵の鶏糞といった自然由来の肥料だけです。それどころか、草取りなども必要最低限しかしないので、畑の中は雑草と野菜とが混在、雑草の方が密度が濃いほど。雑草と共存・共生することで、野菜はたくましく、本来の地力を発揮して育ちます。草を抜き肥料をやり過保護にしすぎると、その過剰に呼応するように、野菜はノイジーな味になってしまう、と『BondeyFarm』は考えています。 そこに自然にあるものを排除せず、寄り添うように田畑をつくる。田畑から出たものは、田畑に還す。作物をつくる前とつくった後、環境が等しくプラスマイナスゼロになるように。それが、私たちの考える農業のかたちです。